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不動産投資

医師が知っておきたい不動産投資で相続税対策をする方法

資産の一部を、賃貸マンションや賃貸アパートなどの収益物件にシフトする医師は珍しくありません。
不動産投資をすると資産形成ができるだけでなく、相続税の負担を軽減できる可能性があるためです。
医師という職業は、他の職業よりも収入が高水準です。
財産を次の世代へ引き継いだときに、高額な相続税が課せられる医師を多く見受けますが、相続税の負担軽減をはじめとした相続対策をする必要性は高いと言えます。
では、なぜマンションやアパートなどへの投資が相続対策になるのでしょうか?本記事で、詳しく解説していきます。

相続税対策として不動産を活用すると良い理由

不動産の購入が相続対策として有効な理由は、現金よりも価値が割安に評価されるためです。資産のうちのいくらかを不動産にシフトすることで、余分な相続税の支払いを抑えられます。

土地や建物は現金よりも低く評価される

相続税を計算する際は、相続によって取得した財産の価値を求めなければなりません。不動産の場合、土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」を用いて価値を算出します。
現金や株式などは、口座の残高を集計するだけで価値がわかります。一方で、土地の価値は、専門的な知識がなければ正確に把握するのは困難です。そこで相続税の計算時に、土地の価値が誰でも分かるよう、国税庁は年に1度「路線価」を発表しています。
路線価とは、道路に面した土地1㎡あたりの値段です。路線価を用いて土地の価値を評価すると、時価(公示価格)の7割程度の価格となります。
建物の価値を算出する際に用いられる「固定資産税評価額」は、固定資産税や都市計画税など、不動産にかかわる税金を算出する際に用いられる価格です。固定資産税評価額は、建物の建築費の7割程度に設定されています。
例えば、2億円の現金で、1億円の土地を購入し、1億円の建物を建てたとしましょう。相続税を計算するとき、土地の価値は時価の8割である8,000万円、建物の価値は建築費の7割である7,000万円、合計1億5,000万円と評価されます。

マンションやアパートなどの収益物件はさらに評価が低くなる

マンションやアパートなど、他人に貸すための住宅を建てた場合、相続税を計算するときの評価がさらに低くなります。
借り手がいる土地や建物は、所有する人の意思だけでは簡単に処分できません。「借地借家法」という法律で、賃貸物件を借りる人の権利が保護されているためです。
所有者の自由にできないぶん、借り手がいる土地や建物は、相続税を計算するときの価値が低く評価されます。
具体的には、アパートやマンションなどの賃貸用建物が建っている土地は、「貸家建付地の評価減」が適用され、評価額が約2割減額されます。賃貸用建物には、貸家の評価減が適用されて、評価額が約3割減額されるのです。
※減額される割合は、お住いのエリアや入居率などによって変わります。
例えば、土地の時価が1億円であった場合、路線価方式での評価により評価額は8,000万円となり、貸家建付地の評価減が適用されることで約6,400万円となります。
建物の建築費が1億円であった場合、固定資産税評価額により評価額が7,000万円となり、さらに貸家の評価減が適用されて4,900万円となるのです。土地と建物を合わせると、最終的な評価額は1億1300万円となります。

要件を満たすと小規模宅地等の特例を適用できる

小規模宅地等の特例とは、亡くなっていた人が住んでいたり、賃貸用に使用していたりした土地を相続すると、一定の面積まで土地の評価額が割り引かれる制度です。
減額割合や減額が適用される面積は、相続した土地の用途によって異なります。

● 居住用:80%減(330㎡まで)
● 事業用:80%減(400㎡まで)
● 貸付用:50%減(200㎡まで)

例えば、亡くなった人が賃貸用のマンションを建てた土地を相続したとしましょう。土地の評価額が6,400万円、面積が200㎡であった場合、小規模宅地等の特例が適用されると評価額が50%割引となって3,200万円に減額されます。
なお小規模宅地等の特例を適用するためには、所定の要件を満たさなければなりません。

不動産を生前贈与するのも相続対策の1つ

賃貸マンションや賃貸アパートを相続で引き継ぐのではなく、子どもや孫などに生前贈与するのも方法です。収益物件を生前贈与するメリットは、以下の2点です。

● 相続財産の増加を防げる
● 相続税の納税資金を準備できる

アパートやマンションから家賃収入を得ると、相続財産が増えてしまい、相続した人に高額な相続税が課せられる可能性があります。しかし収益物件を贈与すると、家賃収入は贈与された人のものとなるため、相続財産が増えずに済むのです。
また家族が収益物件から家賃に収入を得ることで、相続税の納税資金を準備することもできます。相続税の納税資金を確保することも、大切な相続対策です。
なお贈与税を計算するとき、不動産の価値は相続税の計算時と同じように評価されます。そのため現金を贈与するよりも、多くの資産を家族に渡せる可能性があります。

不動産を贈与するときは相続時精算課税制度を利用する

暦年(1月1日〜12月31日まで)のあいだに、贈与された財産の金額が110万円を超えてしまうと贈与税が課せられてしまいます。贈与税の最高税率は55%です。相続税の負担を軽減できても、高額な贈与税が課せられてしまっては意味がありません。
そこで不動産を贈与するときは、2,500万円までの贈与が非課税となる「相続時精算課税制度」を利用するのも方法です。
相続時精算課税制度を利用して贈与した財産は、相続税の課税対象となります。 しかし贈与した不動産から得られる家賃収入は、贈与された人のものとなるため、相続税の課税対象とはなりません。
なお2,500万円を超えた部分の贈与については、一律20%の贈与税が課せられます。また相続時精算課税制度を選択すると、贈与税の基礎控除110万円が使えなくなる点に注意しましょう。

相続対策で不動産を購入する際の注意点

相続対策として賃貸マンションや賃貸アパートを購入する場合、以下3点に注意する必要があります。
● あからさまな税金対策は税務署から否認されるリスクがある
● 安定した需要が見込めるエリアの物件を購入する
● 生前に家族と分け方を話し合っておく

あからさまな税金対策は税務署から否認されるリスクがある

あからさまに相続税を節税する目的で不動産を購入すると、税務署から路線価や固定資産税評価額での評価を否認される恐れがあります。
否認された場合、土地や建物を時価で評価するよう求められ相続税の負担が増えてしまうでしょう。不動産投資は、資産形成のために行うものであるため、相続税の負担を軽減するためだけに不動産投資をするのは避けたほうが懸命です。

安定した需要が見込めるエリアの物件を購入する

相続対策のために収益物件を購入しても、入居者が付かず安定した家賃収入が得られずに赤字経営になると、貴重な財産を食いつぶしてしまいかねません。
また購入した不動産の価値が、将来下がってしまうと、売却をしようとしても買い手が見つからず、ご自身や家族が処分に苦労する可能性があります。
安定した需要が見込めるエリアで物件を購入すると、安定した賃料収入が得られるだけでなく、売却もしやすくなります。相続対策として不動産を購入する場合は、信頼できる不動産会社に相談し、安定した賃貸経営が行える物件を探すことが大切です。

生前に家族と分け方を話し合っておく

相続対策の本質は、相続税の節税ではなく、ご自身の財産を次の世代に確実に引き継ぐこと。そして相続の際に、残された家族が揉めないようにすることです。
不動産は、現金よりも相続税の計算時に価値が割安に評価される反面、分割しにくい点がデメリットです。
また家族が、マンションやアパートの経営を希望しないかもしれません。相続対策のために不動産の購入を検討するときは、財産を引き継ぐことになる家族の意向や希望を聞いたうえで判断をすることが大切です。

まとめ

資産の一部をマンションやアパートなどの収益物件にシフトすることで、相続税の負担を軽減できる可能性があるのです。また収益物件を生前贈与するのも、選択肢の1つです。
ただし、あからさまな相続税対策のために不動産を購入すると、税務署から否認されるかもしれません。また不動産は分割しにくい資産であるため、残された家族が遺産の分け方で揉めないように対策することも大切です。
相続時のトラブルを防ぐためには、相続対策として不動産を購入するときに、相続に詳しい税理士やファイナンシャルプランナーに相談してアドバイスをもらうと良いでしょう。

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