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美容クリニック開業物件の人気エリアと選び方 ~テナントビルで開業する際の注意点~

美容クリニックを開業したいとき、エリアや物件はどう選べばよいのでしょうか?
今回の記事では、美容クリニックを開業する際に重要となる物件選びのポイントについて解説していきます。

目次

  1. クリニックの開業形態について
  2. 美容クリニックに人気のエリア
  3. 美容クリニックに必要な物件スペック
  4. 美容クリニックの物件の選び方
  5. まとめ

1.クリニックの開業形態について

クリニックを開業する際には、戸建て・医療モール・テナントビルの3つの形態が一般的です。都心部でアクセスの良いエリアは商業施設やマンションが立ち並んでおり、戸建てで開業できるケースはあまりありません。中には戸建てのクリニック向け賃貸物件もありますが、医療モールやテナントビルの一区画を借りて開業することがほとんどです。時には居抜き物件をそのまま活用できるケースもあり、その場合は比較的手軽に開業できます。
開業予算や立地条件などに合わせて、適切な形態を選ぶことが重要です。

2.美容クリニックに人気のエリア

美容クリニック人気エリア:銀座・表参道・青山

美容クリニックの開業に人気のエリアとしては、都心部のターミナル駅周辺や繁華街が挙げられます。
中でも、銀座、表参道、青山というようなおしゃれで高級感のあるイメージの街が人気です。

なぜ同じエリアでもやっていけるのか

一般的な保険診療のクリニックの場合、「近所にあるから」という理由で来院することが多くなります。そのため、開業する地域でどれだけ集患できるかの予測が重要になってきます。しかし、美容クリニックの場合は「近いから」という要素よりも「この施術」「この先生」「このクリニック」というように「○○だから行く」という明確な理由になる要素が重要となります。なぜなら、美容医療は病気を治す目的ではなく理想の自分を目指す手段であり、情報収集を重ねて施術を決める方が多いからです。

極端な例を挙げると、美容整形のために韓国に行くように、そのクリニックの特色を出せれば集患できるのが美容クリニックの特徴です。とはいえ、遠いよりは近い方が良いですし、人が多く集まる場所の方が集患しやすいのも事実です。そのため、人口が多くアクセスも良い、美容医療のイメージにぴったりな銀座、表参道、青山というエリアが人気となっています。

開業エリアはクリニックのコンセプトにもよる

コンセプト例:家賃を抑え、安価な美容医療を提供する

銀座、表参道、青山というような人気エリアは地価も高く、賃料も高い傾向にあります。これらの人気エリアよりも家賃が低いところで開業することで、固定費を削り施術費を抑えることができます。これにより施術価格を抑え、患者様に通ってもらいやすいクリニックを目指すことも可能です。
もちろん、賃料が高い人気エリアでも広告費を抑えるなど様々な経営戦略がありますので、競合クリニックの数やコンセプト、経営戦略に合った開業エリアを選定しましょう。

3.美容クリニックに必要な物件スペック

クリニック開業物件で主に確認するべき8つの事項

クリニック開業物件のチェックポイント8つ

■水回りの工事の可否
クリニックを開業する際には、法令で規定された構造設備基準を満たしている必要があります。その中で、診察室には「給水設備があることが望ましい」とされているため、水回りの工事ができない物件ではそもそも開業できません。
特に美容クリニックの場合は、施術室のほかにパウダールームなどを整備するためにも、ある程度自由の利く水回りの工事ができる物件が望ましいでしょう。

■電気容量
電気容量が足りないと、医療機器が使えず施術が困難になってしまいます。
使用する医療機器の必要電力に対応できるか確認しましょう。
例えば、美容クリニックで使用されるレーザー等の機器は単相200Vの30Aを必要とします。エアコンなど電力を大量消費する他の機器と共通電源にしてしまうと、ブレーカーが落ちる危険性があるため、配電盤内に専用の単独ブレーカーの設置を推奨されています。

■天井高
天井高が足りないと、必要な配線工事や配管工事ができないことがあります。
水回りの工事の際には、排水のために勾配をつけます。そのため、床下に排水管を通しても十分な天井高が確保できる物件である必要があります。
また、無影灯やX線装置などの医療機器設置には、最低でも天井高2,400㎜以上が必要です。

■床の耐荷重
重さの制限があり必要な台数の医療機器を入れられないことがあります。
将来的に機材を増やしたり入れ替えたりすることも念頭に置いて、耐荷重も確認しておきましょう。

■看板既出の可否
看板を出せないビルもあり、集患に影響を及ぼします。

■土日祝日の利用可否
土日祝日はエントランスの利用ができない物件や、平日でも利用時間が限られている物件もあります。営業日や営業時間に影響するため事前に確認しておきましょう。

■契約形態と期間
定期借家契約の場合、契約期間終了後の再契約や延長ができるのかを確認しないと、順調な経営をしていても退去しなくてはいけなくなります。

■同じビルのテナント
同業種の可否だけでなく、テナントビルの場合様々な店舗の利用客が鉢合わせることになるため、クリニックのイメージや客層に合わないテナントが入っていると集患に影響する場合もあります。

参考:東京都保健医療局「診療所・歯科診療所の構造設備基準について」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/tamafuchu/iryou/shinryojo_shika/shinryojo_kozokijun.html

美容クリニックならではのポイント

美容クリニックの開業は、待合室やカウンセリング室、パウダールームなどの設備も重要です。給排水や配管・配線、天井高や電気容量とともにこれらの内装レイアウトが可能かどうかも確認しましょう。

美容クリニックには、居心地の良い待合室や防音対策がされたカウンセリング室、メイク落としや身だしなみを整えるためのパウダールームなどの設備が求められます。これらを充実させることで、患者様の満足度向上にも繋がり、継続した来院や口コミも期待できるようになるでしょう。

施術内容やコンセプトによって必要となる設備も異なってきますので、ある程度イメージをつけてから物件を探すと良いでしょう。

4.美容クリニックの物件の選び方

①費用面の検討

美容クリニックの物件を選ぶ際には、まず開業予算や設備投資、賃料などの費用面を検討することが大切です。どれくらいの集患数と売上を見込むのかなど事業計画をもとに無理のない適切な賃料を算出しましょう。

②エリアや条件の検討

次に、開業したいエリアやどういう物件が良いのか条件を考えていきます。立地条件や周辺環境、競合他社の数なども考慮しましょう。人気エリアでは、同じビルに美容クリニックが複数入っていることもありますが、メインの施術内容が被っている場合は避けるのが一般的です。業種被りはNGとしている場合もありますので、確認が必要です。
物件の条件については、絶対に譲れない部分とそうでない部分と優先順位をつけておくと物件選びがしやすくなります。

③実際の物件を探してもらう

決めた条件を不動産屋に提示し、募集中の物件の提案を受けます。人気物件はすぐに申し込みが入ってしまう場合もあるので、良さそうな物件があった場合はすぐに内見して判断しましょう。

さらに、物件の所有者との契約条件や将来的な拡張計画なども確認しておくと安心です。慎重な物件選びが、クリニック経営の成功につながります。

5.まとめ

美容クリニックを開業する際には、物件選びが極めて重要なポイントとなります。開業するエリア選定、物件スペックや費用検討など、様々な要素を考慮して適切な物件を選ぶことがクリニック経営成功への第一歩です。

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