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クリニック開業物件「居抜き」と「スケルトン」の違いを徹底比較!

クリニックの開業物件は、主に「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2つの選択肢があります。この記事では、両者の違いやメリット・デメリットについて解説します。

「居抜き」物件とは

居抜き物件は、以前に医療機関が使用していた設備や内装がそのまま残っている物件です。医療施設としての機能がある程度整っている状態を指します。

居抜き物件のメリット

・開業までの時間が短縮できる
既存の設備や内装を利用できるため、大規模な工事が不要です。そのため、通常よりも迅速な開業が可能です。一般的に、居抜き物件であれば

・初期費用を抑えられる可能性が高い
何もない状態から新たに設備や内装を購入・設置する必要が無いため、初期費用を抑えられる傾向にあります。特に高額な医療機器が含まれている場合、大幅なコスト削減になる可能性があります。ただし、居抜き物件の既存の内装や設備は「造作譲渡」として売られことが多く、その場合は購入費用がかかります。

・既存の設備や内装を活用できる
前のクリニックで使用されていた設備が使える状態であれば、そのまま活用できるため、効率的です。特に、レントゲン室や手術室など、特殊な設備が必要な診療科では大きなメリットとなります。

居抜き物件のデメリット

・自由なレイアウト変更が難しい
既存の間取りや設備配置に制約されるため、独自のコンセプトを反映させにくい場合があります。
壁の移動や設備の再配置を行うには追加コストがかかる可能性があります。

・古い設備や内装の修繕が必要になることがある
経年劣化や使用頻度によっては、予想外の修繕費用が発生する可能性があります。特に、給排水設備や電気設備は表面から劣化程度を確認するのが難しく、修理費用も高額になることがあるため要注意です。

・前クリニックのイメージが残る可能性がある
特に地域に根付いていたクリニックの場合、新しいクリニックとしてのブランディングに影響を受けることがあります。前クリニックの印象が悪くその印象が残る可能性や、中には「前のクリニックの方がよかった」という印象を持つ方がいる可能性もあります。

・法規制の変更への対応
建築基準法や医療法の改正により、既存不適格となっている可能性があります。改修工事が必要になる場合があるので、事前の確認が重要となります。

「スケルトン」物件とは

スケルトン物件は、内装や設備が取り除かれ躯体のみとなった状態の物件です。白紙の状態から自由にデザインできます。壁や床、天井などの基本的な構造以外はすべて新たに設計・施工することになります。

スケルトン物件のメリット

・自由なレイアウトやデザインが可能
診療科目や患者層に合わせて、最適な動線や空間を一から作り上げることができます。待合室や診察室、パウダールームなど各部屋の広さや配置、内装デザインも理想を実現できます。

・最新の設備を導入しやすい
設計の段階から新しい医療機器や最新の設備を組み込むことが可能です。IT化やデジタル化にも対応しやすく、患者様の利便性向上にも繋がります。

・クリニックのコンセプトに合わせた空間づくりが可能
全体の色調や照明など細部まで自由にデザインできるため、クリニック独自のブランドイメージを構築しやすいです。患者さんに与える印象を細かくコントロールできます。

・長期的なコスト管理
新しい設備や内装を導入することで、修繕や更新のタイミングを把握しやすくなります。そのため、長期的な運営コストの見通しが立てやすくなります。

スケルトン物件のデメリット

・開業までに時間がかかる
設計から施工まで一から行うため、居抜き物件と比べて開業までの準備期間が長くなります。スケルトンの物件で開業する場合、開業まで約6ヶ月~1年はかかるケースが多いです。

・初期費用が高くなりやすい
内装工事や設備の新規購入など、初期投資額が大きくなる傾向があります。高額な医療機器を多数導入する場合は特に注意が必要です。

・設計や工事の管理が必要
各専門家との打ち合わせや工事の進捗管理など、開業準備に多くの時間と労力を要します。退職前から開業準備を進めることも多いため、余裕を持った開業スケジュールを組めると良いでしょう。

居抜きとスケルトン:選択のポイント

①予算

初期投資額と長期的なコストを考慮します。居抜き物件は初期費用を抑えられる可能性がありますが、予期せぬ修繕費用がかかったりすることもあります。一方でスケルトン物件は、初期費用が高くなる傾向にありますが、修繕などの見通しが立てやすく長期的な運営効率を高められる可能性があります。

②時間

開業までのスケジュールを考慮します。早期開業を目指すのであれば居抜き物件、じっくり準備するのであればスケルトン物件が適しています。ただし、都心部の立地の良い居抜き物件は希少ですので、開業したい時期にちょうど居抜き物件があるとは限りません。

③コンセプト

開業するクリニックの特色や診療科目に合わせて選択します。独自性を重視するならスケルトン物件、実績のある環境を活用するなら居抜き物件が有利です。例えば、最新の美容医療を提供するクリニックを開業する場合は、スケルトン物件で最新設備を導入し、洗練された空間を作り上げるのが適しているでしょう。一方で、地域に根差した内科クリニックを開業する場合、居抜き物件を活用することで、馴染みのある雰囲気を維持しつつ、効率的に開業できる可能性があります。

④立地

物件の場所や周辺環境を考慮します。駅前や繁華街など、人通りの多い場所では家賃が高くなりますが、集患が見込めます。一方、駅から離れている場合などは、家賃は抑えられますが、集患が大変になってしまう可能性もあります。好立地の物件は人気のため、希望する条件の空き物件がなかなか見つからないケースもあります。特に居抜き物件は希少性が高く、競争が激しい傾向にあります。

⑤将来性

長期的な運営計画を考慮します。将来の拡張や変更の可能性を考慮すると、スケルトン物件の方が柔軟性が高いです。例えば、開業当初は小規模でスタートし、徐々に規模を拡大していく計画がある場合、スケルトン物件で余裕を持った設計をしておくと、将来的な拡張がしやすくなります。
 

⑥法規制への対応

建築基準法や医療法、消防法などの法規制に適合しているかどうかを確認しましょう。居抜き物件の場合、法改正により既存不適格となっている可能性があるため、改修工事が必要になることがあります。スケルトン物件の場合は、新たに法規制に適合させる必要がありますが、最新の基準に合わせやすいというメリットがあります。

⑦設備の質と状態

エントランスやエレベーターなどの共用部の設備の状態も確認しておきましょう。居抜き物件の場合は、既存設備の状態を専門家に確認してもらうと良いでしょう。特に、高額な医療機器や空調設備、電気設備などは、残存耐用年数や修繕の必要性を詳細に調査する必要があります。

まとめ

クリニック開業時の物件選びは、クリニックの将来を左右する重要な要素です。居抜きとスケルトン、それぞれの特徴を十分に理解し、自身の状況や目標に合わせて最適な選択をすることが大切です。開業計画の初期段階から、資金計画、診療科目、ターゲット患者層、長期的なビジョン、コンセプトなどを明確にしておくことで、物件探しがスムーズになります。また、開業コンサルタント、建築士、税理士などの専門家のアドバイスを受けることも検討してみましょう。

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