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クリニック開業で知っておきたい定期借家契約と普通借家契約の違いと注意点

都心部でクリニックを開業する場合、賃貸物件で開業することがほとんどです。
賃貸借契約には普通借家契約と定期借家契約の2種類の契約があり、それぞれ性質が異なります。クリニック運営を成功させるためにも、それぞれの違いや注意点を把握し適切な契約をすることが求められます。
本記事では、商業ビルやクリニックモールなど賃貸物件でクリニック開業をする際の視点から普通借家契約と定期借家契約の違いと注意点について解説していきます。

目次

  1. 定期借家契約と普通借家契約の違いとメリット・デメリット
    ・定期借家契約と普通借家契約の主な違い
    ・定期借家契約のメリット・デメリット
    ・普通借家契約のメリット・デメリット
  2. クリニック開業の賃貸借契約で注意すること
    ・クリニック開業で定期借家契約を選択する場合は初期投資と契約期間に注意
    ・クリニック開業で普通借家契約を選択する場合は賃料改定に注意
  3. クリニック開業の賃貸借契約は事業計画や資金計画に適したものを選択
  4. まとめ

1.定期借家契約と普通借家契約の違いとメリット・デメリット

定期借家契約と普通借家契約の違い

クリニック開業物件の定期借家契約と普通借家契約の主な違いをまとめた表

■契約期間
定期借家契約:期間の定めがない、あるいは期間の定めがあっても自動更新条項がある
普通借家契約:契約期間が確定しており、自動更新条項がない

■契約更新
定期借家契約:契約期間満了により契約は終了し、更新されない
普通借家契約:借主に契約解除の正当事由がない限り、契約の更新が認められる

■賃料改定
定期借家契約:契約期間満了後の再契約時に、賃料改定の自由度が高い
普通借家契約:賃料改定は借地借家法に基づいて行われ、一定の制限がある

■解約通知
定期借家契約:契約期間中の解約は基本的に認められず、期間満了時に終了
普通借家契約:貸主からの解約は、正当事由が必要であり、6ヶ月以上の予告期間が必要

■契約の更新拒否
定期借家契約:契約期間満了時に、貸主は再契約を拒否することができる※
普通借家契約:借主が契約更新を希望する場合、貸主が更新を拒否するには正当事由が必要

※定期借家契約は基本的に更新を前提としていないため、更新ではなく再契約となる
契約時に定めた再契約条項の内容によっては再契約を拒否できない可能性もある

■契約書の作成
定期借家契約:契約書の作成が必須であり、定期借家契約である旨を明記する必要がある
普通借家契約:契約書の作成は必須ではないが、トラブル防止のために書面で締結することが推奨される

定期借家契約のメリット・デメリット

  • メリット:予算立てがしやすい
  • デメリット:再契約できない可能性がある・入退去の自由度が低い

定期借家契約は、契約期間中の賃料は据え置きであるため、家賃の予算立てがしやすいというメリットがあります。また、契約更新の手続きが不要なため、手間が省けます。ただし、定期借家契約は契約更新を前提としない契約であるため、契約期間満了後に再契約をしたくても貸主が応じてくれない可能性があります。もしもクリニックの運営が上手くいかなくなり閉院したい場合でも、契約期間中は賃料が発生してしまいます。

普通借家契約のメリット・デメリット

  • メリット:入退去の自由度が高い・契約更新が前提・賃料改定
  • デメリット:賃料改定交渉が難航する場合がある

普通借家契約は、基本的に更新 が可能な契約であるため、長期的な運営も可能です。もし運営が上手くいかなくなった場合にも2年の更新タイミングで退去することができます。また、賃料改定の交渉の余地があるため、市場価格に合わせて賃料を調整できる可能性があります。ただし、貸主側から契約更新を拒否される可能性は低いものの、賃料改定の交渉が難航する場合もあります。

2.賃貸物件でクリニック開業する際の注意点

クリニック開業で定期借家契約を選択する場合は初期投資と契約期間に注意

店舗ビルや医療モールなどの賃貸物件でクリニックを開業する際に定期借家契約を選択する場合、開業時の初期投資と契約期間の関係を考慮する必要があります。クリニックの開業には、内装工事や医療機器の導入など、多額の初期投資が必要です。定期借家契約では、契約期間満了後に契約更新がない可能性があるため、初期投資を回収できる十分な契約期間を確保することが重要です。また、契約期間満了後の移転リスクと費用についても考慮しておく必要があります。また、定期借家契約では5年や10年といった期間の契約も多いため、先を見据えた事業計画と資金計画を立てておくことが重要になります。

クリニック開業で普通借家契約を選択する場合は賃料改定に注意

店舗ビルで医療モールなどの賃貸物件でクリニックを開業する際に普通借家契約を選択する場合は、契約更新が可能なため長期的な事業展開の可能性が高くなります。ただし、賃料改定の交渉がクリニックの収益性に影響を与える危険性があります。そのため賃料改定の時期や幅について、物件オーナーと事前に十分な協議を行うことが重要です。

3.クリニック開業の賃貸借契約は事業計画や資金計画に適したものを選択する

クリニック開業に適した契約形態は、事業計画と資金計画に基づいて判断する必要があります。定期借家契約を選択する場合は、初期投資の回収と移転リスクを考慮し、適切な契約期間を設定することが重要です。普通借家契約を選択する場合は、長期的な事業展開を見据えて、物件オーナーとの信頼関係を構築することが重要です。

4.まとめ

賃貸物件でクリニックを開業する際は、開業時の初期投資と契約期間の関係、長期的な事業展開の可能性、物件オーナーとの信頼関係など、特有の注意点があります。事業計画と資金計画に基づいて、適切な契約形態を選択することが、クリニック開業の成功につながります。
定期借家契約と普通借家契約の特徴を理解し、特約を付けるなどして後々不利にならないような契約を結びましょう。

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