医師として、日々診療に従事するなかで、節税対策や将来の資産形成に関心を持っているかたも多いのではないでしょうか。中でも「不動産投資」は、医師のような高収入かつ安定した職業の方にとって非常に相性の良い選択肢のひとつといわれています。
しかし、医師は借り入れがしやすく・営業を受けやすいという特徴もあり、内容をよく吟味しないままスタートしてしまう方も少なくありません。
この記事では、不動産投資を始める前に知っておきたい5つのポイントを解説していきます。
目次
ローンが通りやすいのは武器と罠の紙一重
医師という職業は、一般的に金融機関から非常に高い信用を得られます。そのため、不動産投資ローンの審査においても有利に働くケースが多いです。一般的なサラリーマンでは難しい融資も、医師であれば比較的スムーズに通過することもあります。
これは大きな強みですが、「借りられる=成功できる」ではないという点に注意が必要です。
本来、不動産投資は「利回り」「キャッシュフロー」「空室リスク」など多くの要素を見極めて判断するものですが、ローンが簡単に通ってしまうがゆえに、物件選びや収支の精査をおろそかにしてしまうケースが見受けられます。その結果、空室が長期化し毎月の出費が家計を圧迫してしまう、ということも起こり得ます。
「借りられるから買う」ではなく、「投資・資産形成として成り立つから買う」という原則を忘れずに判断することが重要です。
節税目的の不動産投資には限界があります
「不動産投資=節税」というイメージを持たれている方も多いと思います。
実際、減価償却費の計上により課税所得を減らし所得税や住民税の軽減を見込めます。しかし、これはあくまでも不動産投資の副次的な効果であり、”主目的”にしてしまうと本質を見誤る危険性があります。
近年では、節税目的の不動産投資に対する税務調査も厳しくなっており、「赤字で節税できたけど手元にお金が残ってない」という状況に陥ってしまう例もあります。
さらに、過剰に節税ばかりを狙ってしまうと、将来的な売却や相続の場面で不利になることもあるので注意が必要です。
不動産投資はあくまでも「資産形成の手段」であり、節税はその副産物ととらえることが大切です。
「立地」だけでなく「出口戦略」も見据える
不動産投資において、立地が重要なのは言うまでもありません。しかし、見落としがちなのが「購入後、どうやって手放すのか」「いつまで所有するのか」といった”出口戦略”の視点です。不動産投資は、家賃収入による「インカムゲイン」と売却時の利益「キャピタルゲイン」の両方を考慮する必要があります。
例えば・・・
ファミリータイプ物件の場合
- メリット:入居期間が長く、安定した家賃収入が期待できる
- 出口戦略:築20年程度でも実需(所有者自らの居住用)での売却が可能
- 注意点:初期投資額が大きく、空室時の影響も大きい
ワンルーム物件の場合
- メリット:初期投資額が比較的少なく、立地次第で高い稼働率を維持できる
- 出口戦略:投資用物件としての売却がメイン
- 注意点:築古になると売却が困難になる場合がある
築古物件の場合
- メリット:利回りが高く、減価償却による節税効果も大きく期待できる
- 出口戦略:土地値での売却を想定
- 注意点:修繕費用や管理の手間が増加する傾向がある
物件を購入する際は、5年後10年後、どのような方法で処分するかを事前に検討しておくことが重要です。特に医師の場合、転勤や開業などでライフステージが変化する可能性もあるため、柔軟な出口戦略を持っておくことをおすすめします。
立地の重要性についてはこちらの記事もご覧ください
「不動産投資で重要な賃料とエリアの関係性について」
忙しい医師こそ”手間の少ない投資”
医師の皆さまは、日々の診療業務に加えて、学会や当直など、非常に多忙な日々を送っている方が多いです。そこで不動産投資を始める際に重要になるのが「手間をかけずに運用できる形を選ぶ」ことです。
例えば以下のような手段があります。
- 管理会社に物件管理を委託する(手数料はかかるが手間が省ける)
- サブリース契約で一定の家賃保証を受ける(リスクと安心のバランスを検討)
- 区分マンションから始めて、管理の手間が少ない形で運用する
ご自身のライフスタイルや時間の余裕を考慮し、無理なく続けられる投資スタイルを選ぶことが大切です。
信頼できるパートナーを見つけましょう
最後に、不動産投資で成功するために欠かせないのが「信頼できるパートナー」の存在です。
不動産投資は、物件選びからローン契約、管理、税務まで多くの専門領域が関わります。そのため、すべてを自力でこなすのは忙しい医師にとってあまり現実的ではありません。
専門知識や医師という業界事情をよく理解してくれる以下のようなパートナーが必要です。
- 不動産会社(医師の顧客が多い、実績がある会社)
- 税理士(不動産投資や開業にも精通している方)
- ファイナンシャルプランナー(長期的な資産設計をサポート)
中でも注意したいのは、「節税になります」「家賃保証があるから安心です」といったセールストークを鵜吞みにしないことです。数字や根拠をもとに、リスクも含め冷静なアドバイスをしてくれる専門家を見極めましょう。また、不動産投資は買って終わりではありません。一度きりの取引ではなく、毎年の確定申告や将来の売却時にも継続的にサポートしてくれる信頼できるパートナーがいると安心です。
まとめ
医師という職業は、不動産投資において大きなアドバンテージを持っています。しかし、その強みゆえに甘いセールストークや過度な借り入れ・目的がずれた投資をしてしまうリスクも潜んでいます。
- 借りられる=成功できる ではない
- 節税目的だけでは不十分
- 立地はもちろんだが出口戦略も重要
- 忙しい医師には手間の少ない投資スタイルがおすすめ
- 信頼できるパートナーとチームで取り組む
資産形成は一朝一夕でできるものではありません。だからこそ、安心して継続できる仕組みを整えることが未来の自由な選択肢に繋がります。
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