クリニックの移転や閉院を検討されている先生方にとって、物件の原状回復は大きな課題の一つとなっています。その課題への解決策として、「居抜き物件」という選択肢を考えてみませんか?クリニック専用の内装や設備を、次のクリニックに引き継ぐことで、原状回復費用を抑えられる可能性があります。
目次
なぜ今、居抜き物件が注目されているのか
近年、特に都内の人気エリアでは、クリニック向けの物件の希少性が高まっています。なかでも、クリニックの居抜き物件は開業時の内装費を抑えられるため、医師の方々に人気が高い傾向にあります。
居抜き物件活用のメリット
費用面でのメリット
- 原状回復費用の削減が見込める
- 造作譲渡費が支払われる可能性あり
- 移転の場合、移転先での内装工事費用に資金を回せる
引継ぎ可能な内装設備の例
- 待合室のソファーや調度品
- 照明器具
- お手洗いや洗面台などの水回りの設備
- 施術台や診察台
- 収納設備や造作家具 など
美容クリニックならではの内装設備の例
- プライバシーに配慮された間取り
(カウンセリングルーム、施術室、動線) - 充実したパウダールーム設備
(洗面台、鏡、照明など) - 統一感のある内装
(壁紙やデザインなど清潔感と高級感のある内装が多い)
都内人気エリアでの需要
都内人気エリアでは、以下の理由から居抜き物件の需要が特に高くなっています。
クリニック向け物件自体の希少性
- クリニックの開業が可能な物件の少なさ
- クリニックにちょうど良い広さの物件の少なさ
さらに、建物の外観も近代的なものとなると、より物件は限られてしまいます。
新規開業を検討する医師の多さ
スケルトンの物件では多額の内装費用と工事期間が必要です。しかし、居抜き物件であれば内装費用を抑え、短期間での開業が可能となります。そのため、居抜き物件は「初期費用を抑えて開業したい」「できるだけ早く開業したい」という医師の需要が高いのです。
居抜き物件活用時の注意点
事前確認事項
- 貸主、管理会社への確認が必須
- 契約内容の確認(居抜きでの募集が可能かどうか)
- 早めの相談・確認が重要
居抜きとして次のクリニックを探す際は、貸主・管理会社への確認 と承諾が必須です。物件の契約の際、退去時の原状回復が必須となっている場合が多く、オーナーや貸主業者への確認をせずに次に入居するクリニックを見つけても許可が下りないこともあります。そのため、居抜きとして募集したいとなった際には、早めにオーナーや貸主業者へ相談するようにしましょう。
考えられるリスクと対策
- 引継ぎ先が見つからない可能性
➡早めに募集を開始し、十分な期間を確保 - 設備の評価額について折り合いがつかない
➡専門家による適切な調査を活用 - 契約条件の調整が必要
➡不動産会社による適切なサポートを受ける
まとめ
クリニックの移転・閉院時に居抜き物件として募集することは、以下のような場合に特に効果的な選択肢となります
- 原状回復費用の負担を軽減したい
- 内装や設備を有効活用したい
- 移転先での開業資金を確保したい
ただし、居抜きでの募集には貸主業者やオーナーの承諾が必要です。また、契約内容によっては居抜きでの募集ができない場合もありますので、検討されている先生はぜひ医師の不動産デスクにご相談ください。