医師は一般的に高収入であり、社会的信用も高いため、住宅ローンの審査に通りやすい職業とされています。しかし、どれくらいの金額を借りられるのか、どのような点に注意すべきなのかを理解しておくことが大切です。この記事では、医師が住宅ローンを利用する際のポイントについて解説します。
目次
医師はなぜ住宅ローンの審査に有利なのか
社会的信用の高さ
医師は国家資格を持ち、安定した職業に就いているため、金融機関からの信用が非常に高い職業の一つです。転職や失業のリスクが低いため、ローン審査の際にも好印象を持たれやすい傾向があります
安定した高収入
医師の平均年収は一般的な職業と比較しても非常に高く、金融機関の審査基準をクリアしやすいのが特徴です。特に勤務医は毎月の給与が安定しているため、審査に通りやすいと言われています。
令和6年度(2024年度)賃金構造基本統計調査によると、医師の平均給与は以下のとおりです。
- 医師全体:12,008,500円
- 男性医師:14,490,300円
- 女性医師:9,736,800円
これに対し、同調査による一般的な給与所得者(正社員・正職員)の1人当たりの平均給与は530万円となっています。医師の平均収入は一般的な職業の約2.3倍にもなり、この高収入が住宅ローン審査において大きなアドバンテージとなっています。
医師が住宅ローンを組む際の注意点
開業医と勤務医で審査基準が異なる
勤務医は給与所得者として安定収入があるため、比較的スムーズに住宅ローンを組めます。一方、開業医は事業所得者として扱われ、審査の際には直近数年の確定申告の内容が重視されます。開業直後は収入が不安定とみなされることがあるため、注意が必要です。
借入可能額の目安
住宅ローンの借入可能額は一般的に「年収の5~8倍」が目安とされています。例えば、年収1,500万円の医師であれば、7倍の10,500万円程度まで借り入れることが可能です。ただし、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)も考慮し、無理のない借入計画を立てることが重要です。
2023年度フラット35利用者調査によると、住宅の種類別の年収倍率は以下のようになっています。
- 土地付き注文住宅:7.6倍
- マンション:7.2倍
- 注文住宅:7.0倍
- 建売住戸:6.6倍
- 中古マンション:5.6倍
- 中古戸建:5.3倍
これを医師の平均年収(約1,200万円)に当てはめると、借入可能額の目安は以下のようになります。
- 土地付き注文住宅:約9,120万円
- マンション:約8,640万円
- 注文住宅:約8,400万円
- 建売住戸:約7,920万円
- 中古マンション:約6,720万円
- 中古戸建:約6,360万円
これらの金額は一般的な目安であり、個人の勤務状況や他の借入状況、頭金の有無などによって変動します。特に高額な物件を検討する場合は、複数の金融機関に相談し、最適な借入プランを見つけることをおすすめします。
医師向け住宅ローンのおすすめポイント
特別優遇のある金融機関やローンプラン
医師向けに特別な金利優遇や、審査の柔軟性を持つローンプランを提供している金融機関もあります。一般的な住宅ローンよりも好条件で借りられる場合があるため、事前に比較・検討することをおすすめします。
返済計画の立て方
収入が高い医師であっても、長期的な視点で無理のない返済計画を立てることが重要です。特に開業医の場合、経営状況によって収入が変動する可能性があるため、余裕を持った計画を立てましょう。
まとめ
医師は高い社会的信用と安定した収入を持っているため、住宅ローンを組みやすい職業の一つです。ただし、勤務医と開業医で審査基準が異なることや、借入可能額の目安、特別なローンプランの有無などをしっかり把握することが大切です。金融機関の選定や返済計画を慎重に行い、無理のない住宅ローンを組むようにしましょう。