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RC造・SRC造とは?クリニック開業物件としてのメリットも解説

クリニック開業物件を探す際に目にする「RC造」や「SRC造」などの“○○造”。これらは建物の構造を表しています。この記事では、建物の構造分類について解説し、特にRC造とSRC造に焦点を当て、それぞれの特徴やクリニック開業物件としてのメリットについて説明します。

建物の構造分類について

建物の構造は、主要な構造材料や工法によって分類されます。これらの分類は一般的に「○○造」と呼ばれ、建物の特性や用途を理解する上で重要な指標となります。主な構造分類には以下のようなものがあります。

主な構造分類

1.RC造(鉄筋コンクリート造)

  • 最も一般的な構造の一つで、多くのオフィスビルやマンションに採用されています。
  • 防音性と耐火性に優れているため、クリニックの診察室や処置室に適しています。
  • 内装のカスタマイズがしやすく、医療機器の設置にも適しています。

2.SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

  • 高層ビルや大規模な商業施設でよく見られる構造です。
  • 非常に高い耐震性を持ち、大型医療機器の設置にも適しています。
  • 大空間を確保しやすいため、待合室や検査室のレイアウトの自由度が高くなります。

3.S造(鉄骨造)

  • 軽量で施工速度が速いため、比較的新しい建物に多く見られます。
  • 大空間の確保が容易で、クリニックのレイアウト変更に柔軟に対応できます。
  • ただし、防音性には注意が必要で、診察室の配置などに工夫が求められる場合があります。

4.W造(木造)

  • 主に低層の建物に見られ、温かみのある空間を作りやすいです。
  • 小規模なクリニックや、リラックスした雰囲気を重視する診療科に適しています。
  • 防音性や耐火性には追加の対策が必要になる場合があります。

5.CB造(コンクリートブロック造)

  • 低層の商業施設やクリニックでときどき見かけます。
  • 比較的安価な物件が多いですが、防音性や断熱性に課題がある場合があります。
  • 内装工事で改善可能ですが、追加コストを考慮する必要があります。

6.PC造(プレキャストコンクリート造)

  • 工場で製作したコンクリート部材を現場で組み立てる構造です。
  • 均一な品質が期待でき、比較的新しい建物に採用されています。
  • RC造に近い特性を持ちますが、大規模な改修には制限がある場合があります。

クリニック開業に適したRC造・SRC造

RC造(鉄筋コンクリート造)のメリット

1.耐久性が高い

  • 長期間の使用に耐えるため、長期契約を考えている場合に適しています。
  • 建物の老朽化による突然の退去要請のリスクが低くなります。

2.防音性が優れている

  • 診察室や処置室の音漏れを防ぎ、患者のプライバシーを守りやすくなります。
  • 他のテナントからの騒音も軽減されるため、静かな診療環境を確保しやすいです。

3.耐火性が高い

  • 火災リスクが低く、保険料が比較的安くなる可能性があります。

4.内装の自由度が高い

  • 壁や床にアンカーを打ちやすいため、医療機器の設置や内装のカスタマイズがしやすいです。
  • 将来的なレイアウト変更にも対応しやすい構造です。

5.温度管理がしやすい

  • コンクリートの蓄熱性により、室温の変化が緩やかです。
  • 冷暖房効率が良く、光熱費の節約につながる可能性があります。

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のメリット

1.高い耐震性

  • 地震に強い構造のため、災害時の安全性が高く、事業継続性が確保しやすいです。

2.大空間の確保が可能

  • 柱の間隔を広くとれるため、大型医療機器の設置や待合室の拡張など、自由度の高いレイアウトが可能です。

3.重量物の設置に適している

  • MRIなどの大型医療機器を設置する際に有利です。
  • 床の耐荷重が高いため、機器の配置に関する制約が少なくなります。

4.高層階での開業が可能

  • 高層ビルの上層階でもクリニック開業が可能なため、眺望の良い物件を選択できる可能性があります。

5.振動が少ない

  • 建物の振動が少ないため、精密な医療機器の使用や繊細な処置に適しています。

クリニック開業物件の構造選択のポイント

一般的なクリニックの場合

通常の診療科目や一般的な医療機器を使用するクリニックであれば、RC造でもSRC造でも問題ありません。
どちらの構造も十分な強度と耐久性を持ち、クリニックの運営に適しています。

大型医療機器を設置する場合

MRIなど重量のある大型医療機器を設置する予定がある場合は、RC造よりもさらに高い強度を持つSRC造の方が、より適しています。大型機器の振動を抑制する効果も期待できるため、精密な検査や治療に適した環境を作りやすいです。

耐荷重の確認は必須

構造に関わらず、実際に物件を選ぶ際には必ず耐荷重を確認しておきましょう。
予定している医療機器や設備の重量に耐えられるかを確認することが重要です。
将来的な医療機器の導入や増設の可能性を考慮し、余裕を持った耐荷重性能を持つ物件を選択することも検討しましょう。

まとめ

RC造とSRC造は、その高い耐久性と安全性から、クリニック開業に適した構造と言えます。一般的なクリニックであればどちらの構造でも問題ありませんが、大型医療機器の設置が必要な場合は、SRC造の方がより適しているかもしれません。

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