クリニックの開業を検討する際の選択肢として、医療モールでの開業があります。この記事では、医療モールでクリニックを開業する10のメリットをご紹介します。
目次
医療モールとは
医療モールとは、複数のクリニックや医療関連施設が集まった施設のことを指します。一つの建物やフロア内に、様々な診療科目のクリニックが入居しているのが特徴です。病院とは異なり、各クリニックが独立して運営されています。
医療モールには、内科や歯科、眼科、皮膚科など、プライマリケアを担う診療科を中心に、多様なクリニックが集まっています。また、調剤薬局や検査センター、リハビリテーション施設などを併設しているケースも多くあります。
患者さんにとっては、ワンストップで様々な医療サービスを受けられる利便性の高さが、医療モールの大きな魅力と言えるでしょう。
医療モールの種類
■医療ビル
テナントが調剤薬局や複数のクリニックで構成されているタイプ。
このようなビルを医療ビル(クリニックビル)と呼びます。クリニックが入ることを前提として設計・建設されているため、クリニック開業物件として必要な給排水設備や天井高、電気容量などが備わっています。
■商業施設の1区画
駅ビルやショッピングモールなどの商業施設の1区画にクリニックが集まっているタイプ。
通院と一緒に買い物もできることや、駐車場などの施設設備も利用できることが特徴です。
施設を利用しているひとの目に留まりやすく、認知度の向上と集患も期待できます。
■医療ビレッジ
1つの敷地内に戸建てのクリニックが集まっているタイプ。
戸建てでそれぞれが独立している分、工事費用は高い傾向にありますが、外観や設計などの自由度があがります。同時期に建設が行われることが多く、内装工事や医療機器の搬入など他のクリニックとまとめて発注することで、費用を抑えられる場合もあります。
医療モールでクリニック開業するメリット10選
1.集患力の高さ
医療モールは、多くの診療科目が集まる場所です。目的の診療科以外にも、複数のクリニックを併せて受診する患者さんが多いため、集患力が高いのが特徴です。開業当初から一定の集患が見込めるでしょう。
2.立地の良さ
医療モールは、立地条件の良い場所に建てられていることが多いです。駅近や繁華街など、アクセスの良さは患者さんにとって大きなメリットとなります。多くの人の目に入るため、クリニックの知名度向上にもつながります。
3.開業コストの抑制
医療モールでの開業は、開業コストを抑えることができます。モールの共用部分は、管理費で賄われるため、個別に整備する必要がありません。内装工事も、モールの基準に合わせれば良いので、費用を最小限に抑えられるでしょう。モールの基準に合わせるため、内装に制限がかかり想定していた内装ができないという場合もあるので、注意しましょう。
4.設備の充実
医療モールには、CT・MRIなどの高額医療機器を備えている場合があります。単独でクリニックを開業する場合、こうした設備の導入は費用面で難しいですが、医療モールなら共同で使用できるため、設備面でも充実したクリニック運営が可能です。
5.広告宣伝効果
医療モールの集患力の高さは、クリニックの広告宣伝にもつながります。モール全体の広告や、モール内の看板などで、クリニックの存在をアピールできます。単独での広告宣伝よりも、費用対効果が高いと言えるでしょう。
6.紹介や連携の充実
医療モールには、様々な診療科目のクリニックが集まっています。他科との連携や、患者さんの紹介がスムーズに行えるのは大きなメリットです。特に、開業当初は医療ネットワークの構築が重要ですが、医療モールならすぐに連携体制を整えられます。
7.設備投資の軽減
医療モールに開業する場合、単独開業と比べて設備投資を軽減できるメリットがあります。例えば、受付や待合スペース、トイレなどの共用部分は、モール側が整備している場合も多く、クリニックとしての初期投資が抑えられます。
8.患者さんの利便性
医療モールには、薬局や検査センターなども併設されていることが多いです。患者さんは、診察や検査、薬の受け取りまでを一か所で済ませられるため、利便性が高いと言えます。クリニックとしても、患者さんの満足度向上につながるでしょう。
9.医療連携の強化
医療モールでは、他科や他職種との連携が取りやすいため、医療連携の強化が図れます。例えば、診察後すぐに検査ができたり、投薬がスムーズに行えたりと、患者さんの治療がスピーディーに進められます。
10.リスク管理の向上
医療モールには、医療安全管理や感染対策などの専門スタッフが常駐している場合があります。単独でのクリニック運営よりも、リスク管理の面で安心できるでしょう。万が一のトラブルにも、モール全体でサポートしてくれる体制が整っています。
まとめ
このように、医療モールでのクリニック開業には、立地や認知・集客、設備など、様々な面でメリットがあります。ただし、入居条件として保険診療のみとしている場合もあるので、注意が必要です。開業場所に悩んでいる先生方は、医療モールでの開業も検討してみてはいかがでしょうか。
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