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美容クリニック開業物件の内見で確認すべき15のポイント

美容クリニックの開業には適切な物件選びが欠かせません。物件の内見は、物件の実態を把握し、クリニック運営に適しているかを判断する重要な機会です。この記事では、美容クリニック開業物件の内見で確認すべき15のポイントを解説していきます。

立地・アクセスの良さ

クリニックの立地やアクセスの良さは集患に直接影響を与えます。最寄り駅からの距離や利用できる路線数などの利便性は高い方が良いでしょう。クリニックのコンセプトによって適した立地は異なる場合もあるので、開業コンサルタントに相談してみるのもおすすめです。

美容クリニック開業の人気エリアについてはこちらの記事もご覧ください。
https://ishinofudosandesk.com/journal/business_start_up/article-24/

建物の外観・共用部分の状態

建物の築年数や外観の状態は、クリニックのイメージに大きく影響します。内見では、エントランスの雰囲気や清潔感、エレベーターの有無と利用者数もチェックしましょう。老朽化が進んでいる建物は、修繕コストや設備トラブルのリスクが高くなります。

物件の基本情報(面積・天井高・賃料・共益費・保証金など)

面積、間取り、天井高、床荷重、電力、水回りなどの設備面だけでなく、賃料、共益費、保証金などの費用面も重要なポイントです。契約種類や契約期間、更新条件なども確認し、長期的な運営コストを見積もりましょう。

電気・給排水設備は必須

美容クリニックで使用するレーザーなどの医療機器には、事務所などで利用される電子機器よりも大きな電気容量が必要です。導入予定の機器の電力をあらかじめ把握しておき、内見時に確認できるようにしましょう。また電気容量だけでなく、給排水設備の状況や空調設備の有無と能力も確認しましょう。

▶給排水設備がないとクリニックとして開業できない

給排水設備は医療施設に必須の設備です。給排水設備を作れない場合は、そもそもクリニックとして開業できませんので内見時の確認が望ましいです。(事務所利用が前提のビルの場合、レイアウトに関係なく給排水工事ができないこともあるため、まず給排水工事が可能かどうかは内見より前に確認できると良いでしょう。)

セキュリティ・防災設備の確認

患者やスタッフの安全を守るために、セキュリティと防災設備は欠かせません。内見では、セキュリティシステムの有無、防犯カメラや入退室管理システムの設置状況を確認しましょう。消防設備(スプリンクラー、火災報知器など)の整備状況も重要なポイントです。

内装・設備の状況

居抜き物件をそのまま、あるいは一部リフォームで利用する場合は、クロスや床材などの内装状態、設備の老朽化などを入念にチェックしましょう。内見時にしっかりと確認することで、後で追加費用が発生したり、工事期間が延びたりといったことを防ぎ計画的な開業を目指せます。

工事制限事項を確認

夜間工事の可否や大きな音が出る工事の作業時間に制限がかけられている場合があります。これにより、工事期間の長さが変わってくるため内見時に確認しておきましょう。
また、物件によってはオーナー側が内装工事の内容を制限している場合があります。内容によっては、やりたい内装ができないこともあるため確認しておきましょう。

理想の動線・レイアウトは確保できるか

美容クリニックでは、患者動線とスタッフ動線を適切に分離することが重要です。
また、売上に必要な部屋数を確保するための十分な広さがあるか、指定された通路幅を確保できるか確認しましょう。加えて、待合室、診察室、処置室のレイアウトを想定し、動線の確保やバリアフリーへの対応も検討できるとよいでしょう。しかし、これらを1人で確認するのはなかなか難しいため、クリニックの内装を手掛ける内装業者と一緒に内見するのがおすすめです。

▶美容クリニックの売上はベッド数で決まる?!

脱毛や肌管理など看護師による施術がメインの場合、1ベッドあたり月に300万円の売上が目安と言われています。もちろん施術単価や回転数により売上は変わりますが、必要な売上を確保するためには何ベッド必要なのかを事前に把握しておきましょう。内見時に広さのイメージがつきやすくなります。

日当たりが強すぎないかどうか

美容クリニックの開業物件は、日当たりが良すぎるのはあまり望ましくないとされています。日当たりが良い物件が望ましくない理由は主に次の3つです。

  1. 部屋が高温になりやすい
    レーザーなどの医療機器を扱う部屋は暑くなりやすく、日当たりが良いとさらに暑くなってしまいます。
  2. 美容施術前後の日焼けは厳禁
    美容施術の前後はいつも以上に紫外線を気にしなければなりません。待機時間などで日差しがあると患者様のストレスにも繋がります。
  3. 施術デザインに影響する
    自然光が入りすぎると、二重やヒアルロン酸などをはじめとした施術のデザインを行う際に余計な影ができ見えづらくなってしまったり、天候に左右され見え方が変わってしまったりします。

他にも、設備が日焼けして劣化が早まるなどの問題もあるため、できれば晴れた日の日中の内見をするなど、日の当たり方も確認しておきましょう。

看板設置の可否や制限を確認

美容クリニックの集患には、視認性の高い看板やサインが欠かせません。物件によっては看板の設置ができない場合もあります。内見では、看板設置の可否や制限事項、設置場所と視認性を確認しましょう。

騒音・振動の影響や対策の確認

医療機器稼働に伴う騒音や振動は、周辺テナントとのトラブルの原因になります。美容クリニックで一般的に使用されるような機器であればそこまで心配はいりませんが、内見の際は周辺からの騒音レベル、機器の騒音・振動の影響、防音対策の必要性を検討しましょう。

医療機器など設備の搬入・搬出経路を確保できるか

大型の医療機器を搬入・設置するには、十分な搬入経路と搬入口のサイズが必要です。美容クリニックで使用される機器はエレベーターがあれば大体搬入可能ですが、エレベーターが無い物件や狭いエレベーターしかない物件もあるため内見時に確認しておきましょう。さらに廃棄物の搬出経路と保管場所、経路上の段差や幅も確認しておくと良いでしょう。

駐車場や駐輪場の有無

都心部では公共交通機関での移動が多く、駐車場の確保も難しいためあまり重要ではありませんが、専用駐車場枠がある場合など確認しておきましょう。また、都心部以外で開業する場合には、駐車場がないと患者様が通院しにくく集患にも影響が出てしまいます。開業するエリアと想定する患者様の移動手段を考慮して駐車場や駐輪場を確認しましょう。

近隣テナントや同業種との関係

美容クリニックの運営には、近隣テナントとの良好な関係が欠かせません。内見では、同業他社の入居状況、近隣テナントの業種と営業時間、クリニック運営に影響を与えるテナントの有無を確認しましょう。

同業種の入居が不可とされている物件もあれば、入居する事業主同士で同意が得られればOKという物件もあります。同業と同じビルに入ることについては、例えば大手クリニックに来た人が興味を持って調べてくれるかも、ととらえるか、競争で負けるかもしれないから辞めておこう、ととらえるかで印象が変わってきます。それぞれのクリニックのコンセプトや強みにもよるためしっかりと考えましょう。

その他の確認事項や気になる点

物件の管理会社や管理体制、緊急時の連絡先と対応方法も重要な確認事項です。内見の際は、物件の課題や注意点についてもオーナーや仲介業者から情報を収集しましょう。

まとめ

美容クリニック開業物件の内見では、立地、設備、レイアウト、近隣テナントとの関係など、多岐にわたる項目を確認する必要があります。しかし、実際に内見する時には忘れてしまったり、後から気づいたり、ということも多いです。クリニック開業について知見のあるコンサルタントや内装業者などプロと一緒に内見ができると安心です。内見で得た情報を総合的に判断し、ご自身の目指すクリニックに最適な物件を選びましょう。

掲載中のクリニック開業物件はこちら
https://ishinofudosandesk.com/for_opening_clinic/

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